自分の障害(アスペルガー症候群)

 自分はアスペルガー症候群だ(診断名自体は広汎性発達障害、今は自閉スペクトラム症の方が一般的か)。大学2年生の頃には既に十分自覚していたが、正式に診断を受けたのは一昨年の4月と随分後のことになった。以下ではその主な特徴について、自らの経験を踏まえながら紹介していきたい。

 

 発達障害者の就労支援を行っている株式会社Kaienの説明によれば、児童精神科医のローナ・ウィングが自閉症の特徴として提唱した三つ組の障害(それぞれ社会性・コミュニケーション・想像力を指す)は、現在の自閉スペクトラム症に改編される際に

  • 社会的コミュニケーション
  • こだわり(感覚過敏・鈍麻)

 の2要素に統合されたそうだ。しかし個人的にはこの2区分ではやや大雑把にも感じられるため、ここでは敢えて

  • 社会性
  • コミュニケーション
  • 想像力(こだわり)
  • 感覚

 の4項目に再分割して自身の実例を示していこう。

 

  • 社会性

 自分は小学校以来、所属してきたグループにおいて常に輪の中心からは外れていた。これはつまり関わってきたほぼ全員から積極的に承認されてこなかったことの明確な証拠に他ならず、自らもある種の疎外感をずっと味わってきた。その結果、現状では親友と呼べる人が1人もいないという惨状に陥っている。

 

  • コミュニケーション

 自分の中には、高校時代に部活(ESS部)の同級生に対して東方Projectを「講釈」していた記憶が鮮明に残っている。彼らは一応その長広舌を最後まで聞いてはくれたが、内心ドン引きしていただろうことは想像に難くない。加えて自身は相手に軽い愚痴として言ったつもりだったのが、声量を誤って周囲にはクレーム扱いされたという出来事もあり、自分はインプットとアウトプットの両面で認知の歪みを抱えていると推察される。

 

  • 想像力(こだわり)

 5歳の頃は電車に強く関心を持っていたため、今でも時折電車でGO! のプレイ動画や運転席の展望動画を見る機会がある。また特定の曲を脳内で再生しながら、そのメロディに合わせて指で叩く癖も頻繁にやっている(もちろん人前ではしないが)。

 

  • 感覚

 発達障害者には概ね感覚の異常が見られるが、自身もそのご多分に漏れず五感の全てに過敏あるいは鈍麻が存在する。具体的には

  • 視覚:日差しなどの明るい光がやけに眩しく感じる
  • 聴覚:カクテルパーティー効果が働かず、騒音下では聞き取りに支障を来す
  • 触覚:他人に身体を触られることや鋭い痛みを酷く嫌う
  • 味覚:大半の魚介類や一部の野菜類を苦手とする
  • 嗅覚:上記4つとは逆に鈍麻傾向が窺える

 などが挙げられるだろう。

 

 以上が自分のアスペルガー症候群における主な特徴だ。個人的にはそれなりに典型的なパターンではないかと考えているが、アスペルガーひいては発達障害の性質は人によって千差万別である。自分の場合はあくまでも一例に過ぎないため、原則として本人の適性に合わせて対応する姿勢をなるべく心がけておきたい。